Point
- ■目的
・お客さまに提供する帳票の作業効率化と工数削減 - ■施策
・ServiceMax(Salesforce上で稼働するServiceCRMアプリケーション)とスムーズに連携できるFleekformを導入
・ServiceMaxの情報をもとに多岐にわたる帳票を同時に出力できる仕組みを構築 - ■効果
・手入力、転記といったアナログ作業が約3割軽減
・上長のチェックにかかる工数を削減
・既存のExcelフォーマットを有効活用
株式会社堀場テクノサービス(以下、堀場テクノサービス)は、分析・計測機器の開発、製造、販売をおこなっている株式会社堀場製作所のグループ会社で、HORIBA製品のアフターサポートや最適なソリューションの提案など、お客さまのご要望に沿った各種サービスプランをご提供しています。同社では、フィールドサービスエンジニアが扱う帳票作成においてFleekformを活用しています。グローバル戦略本部 本部長の藤田 浩介氏、サービス本部 Automotive Service Lifecycle Management Office SLMチーム チームリーダーの山形 陽一氏、グローバル戦略本部 サービス戦略部 企画・ナレッジマネジメントチームの南井 飛鳥氏に導入の経緯と活用法を伺いました。
CRM導入が招いた思わぬ工数増大
グローバル戦略本部では、堀場テクノサービスのフィールドサービスエンジニアをサポートすることをミッションとしており、社員トレーニングやサービス企画、ドキュメント管理といった部門があります。ITについてもグローバル戦略本部の管轄下にあり、2021年にCRM導入のプロジェクトが開始されました。
プロジェクト推進のもと、Salesforce上で稼働するServiceMaxを導入することになりましたが、一つの課題が浮き彫りとなりました。
「フィールドサービスエンジニアが顧客訪問時に行う作業のテストレポートをExcelで作成していたのですが、CRM導入後はCRMに登録した内容を再度Excelにも入力するという二重作業が発生していました。そのため、転記ミスやそれを防ぐための上長のチェックなど工数が増えてしまう状況となっていました。」(山形氏)
CRMとExcelの両方に入力するため、工数が増えてしまう状況に
使っていたレポート様式がそのまま使えるというところが大きい
フィールドサービスエンジニアが作成するものは、テストレポートだけではありません。KY(危険予知)ミーティングのレポートやトレーサビリティ報告書など多岐にわたります。CRMを活用すればするほど工数が増えてしまうため、帳票サービスの導入を検討することになります。
検討にあたっては、以下の要件を基準に情報収集やデモによる確認を行いました。
・ServiceMaxからダイレクトに年間200万ページ規模の帳票出力ができること
・既存のExcelファイルを使用して帳票作成できること
・折れ線グラフや画像差し込みといった複雑な帳票デザインに対応できること
・iPhoneやiPadなどモバイル機器からも帳票出力が可能であること
「Fleekformは、やはり元々私たちが使っていたExcelがそのまま使えるというところが大きかったですね。他社のものですと、一から帳票を設計し直す必要があったので。私たちが使っていたレポートをお客様にもそのまま渡せるというメリットがありました」(山形氏)
2022年4月にFleekform採用を決定、堀場テクノサービスで使用している帳票の緻密なフォーマット設定を経て、同年11月より全国27拠点で本格稼働を開始しました。
CRMとFleekformの連携で実感できた工数削減
稼働開始当初は、CRMへの入力を徹底させるところから取り組みました。
「CRM自体もまだ使い方が分からず手探りの状態で、入力することに戸惑うエンジニアもいました。Fleekformを導入することで、CRMにちゃんと入力することへの意義が出てくる。ここに入力すれば、後の工程で二度手間がなくなりますよ、早く作業が終われますよ、と地道にお願いし続けました」(藤田氏)
入力徹底が進むにつれ、効果が実感できるようになり、エンジニアたちの反応も良くなってきたと山形氏は言います。
「これまで顧客情報や製品情報といった定形情報も作業のたびに手打ちで、しかもCRMとExcelにそれぞれ入力していたものが、CRMに登録された情報は自動的にExcelに反映されて出力できるようになりました。エクセルの全ての項目が埋められるわけではないので出力後の追記は必要ですが、それでも以前よりも3割の工数削減になったと思います」(山形氏)
「数値を扱う会社ですので、レポートチェックには当然気を配るわけですが、定形情報については自動的に挿入されるため、安心して見られるようになりました」(藤田氏)
「CRMに登録された定型情報だけで、定期点検報告書やトレーサビリティ報告書といった多様な書類をある程度入力された状態で出力できるようになったことで、手動で行ったことが自動化されて楽になった、とサービスエンジニアだけでなくバックオフィス担当者からも言われています」(南井氏)
FleekformによりCRMに登録された情報は自動的にExcelに反映されて出力
Fleekformのさらなる活用のために
堀場テクノサービスでのFleekform活用が2年を経過しようとしている中で、Fleekformに対する要望も出てきました。
「Fleekformで帳票作成が完成するわけではなく、その後の追記も必要となるのでFleekform内に一時保管できるような機能があるとうれしいですね」(山形氏)
また、堀場テクノサービスでの導入効果を受けて、別のグループ会社でもFleekform活用の動きが始まっているそうです。具体的に検討し始めており、現在はFleekformでどういった帳票が作成できるかを調査している段階にあります。
「我々の時もFleekdrive社のサポートには大変お世話になりましたし、もし分からないことがあれば、我々に聞いてもらって、それでも分からなければすぐサポートを紹介しますよとは伝えてあります」(山形氏)
HORIBAグループでのFleekformの活用の場は、これからさらに広がりそうです。