葬祭の現場を知るからこそ実現した
SalesforceとFleekformを
生かしたシステム開発株式会社グローバル・ヒューマン・ボンド

Point

  • ■目的
    ・Salesforce(顧客管理サービス)より構築した自社開発の葬祭システムを活用し、葬祭業界の課題解決とIT化の推進を目指す。
  • ■施策
    ・自社システムとFleekformを組み合わせて葬祭システム「葬祭ボンド」を構築。
    ・葬祭に関する一連の業務で必要となる見積書と請求書をFleekformで出力。
  • ■効果
    ・複雑な内容の見積書や請求書の入力ミスがなくなり、業務効率アップ。
    ・葬祭ボンドへ入力したデータが、見積書に必要なデータのみ明細項目に自動で差し込まれるため、二重入力が不要となり、結果としてSalesforce(葬祭ボンド)利用の定着化に繋がる。
    ・帳票の定型化でフォーマットの改変を防止。業務の属人化改善に貢献。
    ・葬祭業に特化した柔軟な帳票設計で、顧客のみならずエンドユーザーの満足度向上。
    ・実務で活用されている葬祭業の見積書や請求書雛型が整備されており、お客様ごとの細かな要望を満たすサポートノウハウも蓄積されているため、顧客満足度も高い。

山口市に本社を置くおおすみグループは、創業から80年以上の長きにわたり、地域に密着した事業を展開しています。その柱となるのが葬祭事業。核家族化による地域社会の変化やコロナ禍などの影響を受け、葬祭のニーズは近年大きく変化しているといいます。

多様化するニーズに応えるために、子会社の株式会社グローバル・ヒューマン・ボンド(以下、グローバル・ヒューマン・ボンド)は葬祭の現場で培った経験を生かし、クラウド帳票サービス「Fleekform」と連携した葬祭システム「葬祭ボンド」を構築しました。また同じ悩みを抱える同業他社に「葬祭ボンド」の販売を行っており、Fleekformの販売パートナーとしても活動しています。

おおすみグループの代表、大隅正和氏(以下、大隅氏)とグローバル・ヒューマン・ボンドのシステム企画営業部 吉野仁崇氏(以下、吉野氏)にお話を伺いました。

最大の課題は帳票出力。煩雑な見積作成がネックに

葬儀場、供花、料理、霊柩車など……。多彩なプランが用意されている葬祭業では、限られた時間の中でさまざまな手配が必要です。そのため現場の業務は煩雑になり、担当者によってやり方が違うなど属人化される傾向がありました。一方で、喪家にとっては故人を偲ぶ大事な時間。スマートな進行が求められます。大隅氏は、以前より業務改善の必要性を感じていました。

「葬祭の業務において、もっとも課題があったのが見積書・請求書などの帳票出力です。プランの組み合わせが多岐にわたるため複雑になり、既存のシステムを導入しようとしても、葬祭業特有のフォーマットに対応しているものがありません。結局エクセルを用いた手作業となり、時間も手間もかかっていました」(大隅氏)

また、エクセルを使うと担当者がフォーマットを改変してしまい、定型帳票が維持できないという問題もありました。さらにインボイス制度の開始に備え、対応した帳票を作る必要もあります。大隅氏は、葬祭業務の品質向上のため、自社でのシステム開発を決意しました。

葬祭業の帳票出力には多くの課題が

自社構築のシステムにFleekformを採用

Salesforce内に構築を担当したのが、グループ会社であるグローバル・ヒューマン・ボンドの吉野氏です。同社は、以前より葬祭業専用システムを開発・販売していました。今回は、顧客管理をはじめ葬祭に関する一連の業務に対応し、帳票出力までシームレスな業務が可能となるシステム構築に着手。Salesforceを採用し、連携する帳票出力のサービスの検討が始まりました。2021年7月頃に採用候補として数社をピックアップし、トライアル版で検証を行った結果、1カ月後に要件を満たすFleekformの採用が決定しました。

申請業務は、大量の情報を複数の書類へミスなく記載する必要があります。Salesforceに登録した顧客情報をFleekformに連携することで、スムーズに申請書類の作成ができると考えたのです。

採用の決め手について、吉野氏は語ります。

「まず、独自のデザインでレイアウト構築が可能なこと、自動でPDF出力とエクセル出力が可能なこと、エクセルで帳票フォーマットの構築が可能なことが第一でした。最終的に決め手となったのは、葬祭業特有の様々な要件にフィットした帳票デザインの相談に対して、営業やサポートの方から懇切丁寧にかつ迅速に解決策を提案いただき、帳票が完成したことですね」

一連の葬祭業務をサポートする「葬祭ボンド」

そして完成したのが、葬祭システム「葬祭ボンド」です。

「『葬祭ボンド』は顧客管理のデータをもとに帳票出力をするため、見積書・請求書の作成業務がスムーズになります。また、最近は「終活」の一環として事前相談・生前見積のセミナーを開くことがあるのですが、そこで問い合わせのあった人を顧客として登録することで、葬祭の申し込みがあったときに情報の流用が可能となります」(吉野氏)

「葬祭ボンド」の顧客情報画面

帳票作成業務の効率化を実現

おおすみグループでは、実際に「葬祭ボンド」を自社の葬祭業務に活用。思っていた以上の効率アップが実現しました。

まず、大きく改善されたのが帳票作成業務における課題解決です。見積書・請求書などは顧客管理のデータから抽出して作成するので、入力ミスがなくなりました。帳票出力後、保存前にプレビューが確認できるので、さらにミスを防ぐことに繋がります。

さらに、PDF出力ができるようになったことで、希望する顧客には郵便ではなくメールによる帳票の送付が可能となり、作業時間の短縮とコストの削減につながったのです。

「PDFは改変ができないため、定型帳票の使用を徹底させることにも成功しました。Fleekform上に定型帳票を保存することで、社内で帳票の見直しと改善がスムーズにできるようになったことも大きいです。インボイス制度に対応した帳票も準備できました。」(吉野氏)

「葬祭ボンド」は登録した顧客情報をもとにさまざまな帳票が出力可能に

Fleekformパートナーとして

完成したシステムを自社で運用し、その便利さを実感した大隅氏と吉野氏。自社だけでなく葬祭業界全体の悩みを解決したいという思いを抱き、同業他社に「葬祭ボンド」の販売を開始。Fleekformパートナーとしての活動にも取り組んでいます。

「葬祭会社は10人未満の企業がほとんどで、人手不足などの理由から属人化された業務が多いんです。Fleekformと連携した「葬祭ボンド」は多くの会社において業務改善に寄与するでしょう」(大隅氏)

「葬祭ボンド」は、地元のみならず全国から引き合いがあり、販売開始から1年余の現在は葬儀社数社が葬祭ボンドを活用中です。

「葬祭の形は、地方の文化によって、本当に多種多様です。当然、帳票もそれぞれ違うので、フォーマットを自由にカスタマイズできるFleekformはまさに葬祭業向きのサービスといえます。見積書や請求書だけでなく、業務に必要なさまざまな帳票をオリジナルで作成できるところも、顧客満足度の向上に繋がっています。ユーザーとしてはもちろん、パートナー企業としても、Fleekformの評価はとても高いです。テスト導入、本導入いずれもプロセスがとても早かったこと、カスタマーサポートの対応が早いことも、お客さまに安心して紹介できるポイントですね」(吉野氏)

「心とITをつなげる」をキーワードに葬祭業界を改革したい

ユーザーとして、パートナーとしてFleekformを活用するおおすみグループ。大隅氏は、全国の葬祭会社に「葬祭ボンド」を広げ、企業成長の機会に貢献したいと語ります。

「私たちがキーワードにしているのは、『心とITをつなげる』です。葬祭業界のIT化はこれからの課題だと思います。現場で働くスタッフは、悲嘆に暮れるご遺族に寄り添う仕事が大事です。かつ顧客要望を会社組織内でいかに収集し、共有するためには、IT化の推進化が不可欠だと考えております。私は、そんな業界の成長の機会に貢献していきたいと考えています。たとえば、システムの提供だけでなく、組織改革などのコンサルティングを展開するなどの活動です。葬祭業は、「心」が何より大切な業界です。これからは、そこにプラス「IT」が必要なことを伝えていきたい。Fleekformは、そういった未来のビジョンを支えるために必要不可欠な存在だといえます」(大隅氏)

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会社概要

社名: 株式会社グローバル・ヒューマン・ボンド
所在地: 山口県山口市朝田928-1

利用製品

Fleekform