子会社ごとに異なっていた
東南アジア圏の
見積書フォーマットを統一サトーホールディングス株式会社

Point

  • ■目的
    ・見積書作成の効率化および東南アジア拠点のガバナンス強化
  • ■施策
    ・Salesforceの情報をもとに見積書が出力できる仕組みとしてFleekformを導入
    ・現地のニーズに合わせたフレキシブルな見積書出力システムを構築
  • ■効果
    ・見積書作成から承認までのルールが統一化されガバナンス強化に成功
    ・入力ミスがなく見栄えの良い見積書でブランドイメージが向上
    ・見積書作成に必要な時間が大幅に短縮
    ・業務の標準化が実現

今や、バーコードやQRコード、ICタグなどによる自動認識技術は、流通・行政・医療・教育等さまざまな分野で使用されています。1940年、竹材加工機の製造として創業したサトーグループは、グローバル企業へと成長しバーコードプリンターをはじめラベルソフトウェア他、RFID技術などの自動認識ソリューションを世界90カ国に提供しています。同グループは東南アジアの拠点においてFleekformを活用し、海外ビジネスに役立てています。導入の経緯と活用法を、サトーホールディングス株式会社海外事業管理部企画グループのグループ長、松村 修寛氏と、現場の実務を支援する鈴木 知沙氏に伺いました。

グローバル企業ならではの課題

海外事業管理部の管轄である東南アジアの拠点はベトナム、タイ、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシアの7カ国。そのうちの5カ国が見積書の作成や管理に課題を抱えていました。海外拠点では販売管理システムなどの投資が遅れていることもあり、営業スタッフは見積書の作成にエクセルを利用していました。そのため各自でフォーマットを変更したり見積書発行の履歴を社内で共有できなかったりなど、統制がとれていない状態だったのです。文書の管理を徹底するため帳票サービスを導入しましたが、問題解決には至りませんでした。拠点の実務を支援する鈴木氏は語ります。

「Fleekformを導入する前に、日本本社が以前から利用していた他社サービスを導入しましたが、現地の営業スタッフからは改善要望が出ていました。日本では問題なく動いている製品なのですが、ビジネスの文化が異なる東南アジアには合わなかったのです。たとえば見積書に表紙や会社情報が必須だったり、商品の画像が必要だったり、保守条件の案内など別の文書を添付したりなど、日本とは違うルールがあります。品目や説明文が増えると見積書が数ページにわたることもあり、それに適したレイアウトが保たれることも必要です。既存のサービスでは、その要件を満たすことができませんでした」(鈴木氏)

ビジネスの文化が異なる東南アジアではフォーマットも様々で対応が困難に

目指すのは業務の効率化とガバナンス強化

2022年8月、現地のビジネス要件に合った見積書作成サービスの検討が始まります。これを機に、各国バラバラだった見積書のフォーマットや管理方法、承認ルールについても統一することとなりました。東南アジアの見積書には独自の仕様があり、以下の要件を満たす必要がありました。

見積書作成のための条件

・入力欄のサイズが文字数に対してフレキシブルに変化する
・見積品目の数・サイズによって2枚目以降の項番が自動で変わる
・画像挿入ができる。画像がない場合はつめて表示(自動識別する)できる
・デザインを自由に設定できる(1枚目表紙、2枚目以降は入力する内容によりフレキシブルに出力)
・利用規約・条件を自由に登録できる
・見積書以外に、保守条件の案内など他のPDFを添付できる
・各国の通貨単位で出力できる
・現地の言語で出力できる(ベトナムのみ)
・管理者用マスターが使いやすい

「第一の条件は、拠点が求める見積書作成ができること。そして私たちが全社で採用しているSalesforceとの連携です。情報収集の結果、3社が候補に挙がり、約4カ月にわたって比較検討した結果、最終的にエクセルで容易にマスター管理ができること、サポートが充実しているという点からFleekformを採用しました。2022年の12月、まずは30人ほどの営業スタッフを抱えるベトナムで導入をスタートし、その実績を基に他国に展開していきました」(鈴木氏)

【見積書出力の流れ】

1.Salesforceから見積書を作成
2.必要に応じて通貨・言語を変更
3.商品を選択する
4.利用規約・条件を入力する
5.「帳票出力」を選択
6.見積書のプレビューを確認
7.承認フローを実行

Fleekformにより各国の仕様に応じた見積書が短時間で出力可能に

業務効率化で従業員満足度アップ

Fleekformが導入されたことで、一番はっきり見えた変化は業務の効率化です。手入力していた商品コードや商品名を、商品マスターから引用して登録できるようになったため、スピードが上がるとともに入力ミスもなくなりました。それに伴いチェック作業に時間を取られていた承認者のストレスは大幅に軽減。また、以前エクセルを利用していたときはオフィスにいなければできなかった見積書の承認が、オンラインでどこでもできるようになりました。車での移動中も助手席で見積書作成や承認が可能となり、時間の有効活用ができます。これらの改善は営業スタッフの負担を軽くし、健全な労働環境の実現にもつながりました。

「見積書を出力すると自動的に承認フローに回り、最終承認が下りると「Draft」の文字が消えます。この仕組みのおかげで未承認での見積書提出というルール違反がなくなりました。作成した見積書は決まった場所に保存され、営業活動の履歴も明確に管理できるようになりました。ルールを統一化したことでガバナンス強化も実現したのです」(鈴木氏)

「業務が標準化されることで、経験が浅いスタッフも規定に沿った仕事ができるようになりました。また高性能の業務システムが整備されている職場環境は、日本企業への信頼につながります。『良い企業で働けてうれしい』と現地のスタッフに思ってもらえれば、仕事へのモチベーションや帰属意識も高まります」(松村氏)

高クオリティの見積書は信頼できる企業の証し

見た目の完成度が格段に上がったのも大きなメリットをもたらしました。以前の帳票サービスでは文章の改行ができない、文字が少ないと不必要な余白ができてしまう、2ページ目以降の項番が1ページ目と連続していないなど、見た目の悪い仕上がりになることがよくあったといいます。洗練されたレイアウトの見積書は、営業活動にも好影響を与えました。

「レイアウトの見栄えが良くなることで、お客様に与える印象が良くなりました。営業活動において提出書類の見やすさや美しさは重要です。Fleekformは企業のブランドイメージアップにも貢献してくれていると思います」(松村氏)

現場に寄り添ったソリューションを提供するために

ベトナムでの導入に成功した後は、タイ、インドと順調に導入が進み、現在では東南アジア5カ国にFleekformを使った見積書出力が浸透しています。活気を増す東南アジア圏における今後の展望を2人に伺いました。

「東南アジアに限らず、それぞれの国や地域には慣れ親しんだ習慣があり、すぐに変えるのは難しいものです。そのため新しいシステムは受け入れられにくい傾向にあります。世界中に拠点を持つ私たちにとって、その点はいつも苦労するところですが、Fleekformは自由度が高く、現場の要望を最大限取り入れたいと考える我々の思いに合致したサービスでした。おかげで現地の営業スタッフにも比較的スムーズに受け入れてもらうことができたのだと思います。今後は、営業の見積書だけでなく、保守・メンテナンスの見積書や作業確認書など、現在紙で提出しているサービス部門でも出力できるようにしたいと思っています」(鈴木氏)

「サトーグループはBtoBの企業グループですが、私たちのモノやヒトに情報を紐付ける『タギング』技術は、その先にいる一般の人たちの生活を支えています。現場のデータを適切なタイミングで分析や管理に生かすことで、より便利で快適な社会をつくる一助になります。発展が目覚ましい東南アジアにおいては、今後ますます自動認識技術を使用した企業活動が求められるでしょう。私たちはこれからもお客様の現場に寄り添ったソリューション展開で、お客様の発展に貢献していきたいと思います。Fleekformはそのために欠かせない存在です」(松村氏)

会社概要

社名: サトーホールディングス株式会社
所在地: 東京都港区芝浦3丁目1番1号

利用製品

Fleekform