Excelの汎用性を維持しながら
納品書・請求書作成の
工数を削減高津川リバービア株式会社

Point

  • ■目的
    ・取引先及び商品のデータベース化
    ・納品書、請求書の作成における効率化と工数削減
  • ■施策
    ・Excelで行っていた取引先管理、商品管理をSalesforceに移行
    ・Salesforceの情報から帳票をスムーズに作成できるFleekformを導入
  • ■効果
    ・価格や数量の記載ミスを大幅に軽減
    ・追記可能なExcel出力による帳票運用で取引先ごとの用途に対応
    ・業界特有の紙文化に合わせた段階的なデジタル化を実現

高津川リバービア株式会社(以下、高津川リバービア)は、島根県益田市の高津川の流域に醸造所を構え、地域の特産品を使ったクラフトビールを製造・販売をしています。美味しいクラフトビールを作りたい、シニアの方や地方で働きたい方が活き活きと働き続けられるような仕事を作りたいという思いから、2020年6月に高津川リバービアを設立し、事業に取り組んでいます。

高津川リバービアでは、クラフトビールの受発注にともなう帳票作成において、Fleekformを活用し、業務効率化を図っています。代表取締役の上床 絵理氏に導入の経緯と活用法を伺いました。

Excelだけの管理では帳票作成の負担が大きい

高津川リバービアは、2021年2月よりクラフトビールの販売を開始しました。卸売や販売店、飲食店など様々な取引先から注文が入り、メール、電話、FAXと注文方法も異なります。これらの情報をExcelに入力して、納品書や請求書を作成、印刷まで行い、その後はフォルダで分けてファイル管理をしていました。醸造は他のメンバーが担当しているものの、経理・会計やイベント出展などの販売促進活動は上床氏が一人で行なっているため、煩雑な業務に課題を感じていました。

「取引先によって月々の発注の頻度、ビールの種類や数が変動します。卸売と小売などで卸価格も異なるため、転記やファイル複製で帳票を作成する際に、うっかり価格や数を間違えてしまうことがありました。今後、さらに取引先が増えていくことを考えると、データベースなしでExcelだけの運用に限界がありますし、お客様にご迷惑をかけることになりかねません」(上床氏)

そこで、前職時代からの情報システムに関する知見を活かし、取引先と商品の情報を管理するためのシステムとして2023年12月にSalesforceを導入しました。

データベースなしでExcelだけの運用に限界が

SalesforceとExcelの長所を活かしたい

Salesforce導入後、上床氏は取引先と商品、取引種別ごとの価格表の登録に取りかかりました。これらの情報をもとに帳票を作成する方法を検討していたところ、Salesforceの担当営業からFleekformを提案されました。

「そこまで複雑な帳票を出力したいわけではなかったので、Salesforce上でこれまでのExcelファイルを使って簡単に設定できるならば良いと思いました。なるべくExcelでの作業をなくすべきなのですが、ExcelにはExcelでの使い勝手の良さというのもあるので、SalesforceからExcelで出力できるFleekformでやってみようとなりました」(上床氏)

Fleekform採用を決定後、Salesforceでの設定とExcelフォーマットの調整を経て、2024年4月より本格稼働を開始しました。

Fleekformとの連携でミスを削減

Salesforceに情報が集約されたことにより、納品書や請求書は以前よりも効率的に作成できるようになりました。

「取引先を選んで、商品と数さえ設定すれば、正確な販売価格が適用されるので、毎回確認する必要がなくなりました。以前は取引先ごとに微妙に書式が異なっていることがありましたが、Fleekformに登録したフォーマットに統一することで、記載事項の抜け落ちもなくなりました」(上床氏)

Fleekformで必要な情報が挿入された状態でExcelファイルに出力できるようになり、後工程の作業がスムーズになりました。

「卸会社と卸先小売店のように、一つの注文に対し、注文元と納品先が異なる場合があります。その際は、Excelファイルを出力してからそれぞれ必要な追記を行い、2つの納品書を作成します。地味に見えるかもしれませんが、取引先ごとに対応事項は様々なので、すべてを手作業で作成するよりはミスが明らかになくなりました」(上床氏)

Fleekformで必要な情報が挿入された状態でExcelファイルに出力

デジタル化できるところはまだまだある

SalesforceとFleekformの活用には、まだ課題があるようです。現在、帳票はすべて紙に印刷し、取引先に郵送しているため、そのためのコストが発生しています。

「世間はペーパーレス化が進んでいるものの、昔からの商習慣だったり、取引先からの要望だったりとなかなか変えるのが難しい状況にあります。FleekformはPDF出力もできるので、いずれはPDFファイルで送付するようにしたいですね」(上床氏)

また、会計や税務処理に必要な業務や書類作成が別のシステムやExcelでの対応となっており、二度手間感があるそうです。

「会計システムにも同じような情報を入力しているので、Salesforceの方でもう少し開発をすれば、一本化できるのではないかと考えています。そうすれば、Fleekformで対応できる帳票も増えるはずです」(上床氏)

クラフトビール業界のデジタル化の好例として、これからが期待できそうです。

■高津川リバービアWebサイト
https://riverbeer.jp/

会社概要

社名: 高津川リバービア株式会社
所在地: 島根県益田市高津2-1-18

利用製品

Fleekform